6.クロージングへ導く最終戦略:メールによる出願意欲の醸成
オープンキャンパスへの参加、資料請求、個別相談――。
ここまで接点を重ねてきたにもかかわらず、「出願」に至らないケースは少なくありません。
その最後の一押しとして、いま改めて見直したいのがメールによるコミュニケーションです。
メールは単なる事務連絡ではありません。
設計次第で、出願意欲を高め、迷いを解消し、クロージングへと導く最終戦略になり得ます。
クロージング直前の学生が抱える「3つの不安」
出願を迷っている学生の多くは、次のような心理状態にあります。
- 本当にこの分野・学校でいいのか
- 自分に合っているのか、ついていけるのか
- 今決断して後悔しないか
この段階で必要なのは、新しい情報ではなく、「納得」と「安心」を与える情報です。
メールは、その不安に個別に寄り添える数少ない手段です。
クロージングメールに必要なのは「説得」ではなく「後押し」
出願直前のメールで注意することは、「魅力を詰め込みすぎないこと」です。
効果的なのは、
- 学校の強みを再整理する
- 体験したことを言語化してあげる
- 迷っている気持ちを肯定する
といった背中を押す設計です。
例:「オープンキャンパスでお話しされていた『○○な仕事に就きたい』という想いは、本校の△△コースでこそ実現できると感じています。」
このように、過去の接点を想起させる一文が、出願への納得感を高めます。
出願意欲を高めるメール構成の基本
クロージングを意識したメールは、次の流れが効果的です。
- 共感
「進路選択に迷うのは自然なこと」 - 具体化
「あなたが体験した授業・相談内容の振り返り」 - 安心材料の提示
「入学後のサポート」「先輩の事例」「学びの進行イメージ」 - 明確なアクション提示
「出願方法」「締切」「相談窓口」
特に重要なのは、「次に何をすればいいか」を迷わせないことです。
出願を促す一文は、強くなくていい
「ぜひ出願してください」という直接的な表現に抵抗を感じる学生もいます。
その場合は、
- 「一歩進む選択肢として」
- 「まずは出願という形で枠を確保する」
- 「迷っている今だからこそ、個別相談も可能です」
といった選択権を学生に残す表現が有効です。
クロージングとは、決断を迫ることではなく、決断しやすい状態をつくることなのです。
メールは「最後」ではなく「決断の伴走者」
出願に至る学生は、メールを読んで「納得した」からではなく、「この学校なら相談できる」「信頼できる」と感じたから行動します。
だからこそ、クロージング期のメールには、
機械的な文面ではなく、人の温度を感じる言葉を、1人の進路に向き合う姿勢を
込めることが重要です。
メールは静かな媒体ですが、その一通が、学生の人生の選択を後押しする力を持っています。
さて、全6回にわたり、専門学校の学生募集におけるメール配信の考え方や具体的な活用方法についてお伝えしてきました。
メールは一斉送信のツールではなく、一人ひとりの進路選択に寄り添うためのコミュニケーション手段です。
配信のタイミング、内容、言葉の選び方を少し工夫するだけで、受け手の印象や行動は大きく変わります。
大切なのは、完璧な仕組みを一度に作ることではなく、仮説と改善を重ねながら「自校らしい伝え方」を育てていくことです。
本コラムで紹介した考え方や事例が、日々の募集活動を見直すきっかけとなり、より多くの未来ある学生との出会いにつながれば幸いです。
メール配信を通じて、学校の想いや魅力が正しく、そして温かく届くことを願っています。

