第六回 データの裏付けと「フィードバック」による戦略のPDCA ― 専門学校における高校訪問 募集戦略・最終回 ―
これまで本コラムでは、高校訪問を軸とした専門学校の募集戦略について、
関係構築、最新情報の提供、学校推薦、校内掲示、進路ガイダンスと、さまざまな切り口から考えてきました。
最終回となる今回は、それらすべてを「成果につなげ続けるための考え方」、
すなわちデータの裏付けとフィードバックによるPDCAをテーマに締めくくります。
高校訪問は「やりっぱなし」になりやすい
高校訪問は、どうしても属人的・経験則に頼りがちな活動です。
・何となく反応が良かった
・先生と話はできた
・今年も例年通り回った
こうした感覚的な評価だけでは、施策がうまくいっているのか、改善すべきなのかが判断できません。
だからこそ重要になるのが、高校訪問の成果を“データで捉える”視点です。
押さえておきたい基本データとKPI
高校訪問におけるPDCAは、難しい指標から始める必要はありません。
まずは、次のような基本データを蓄積することが重要です。
・訪問高校数/訪問回数
・チラシ・ポスター設置有無
・進路ガイダンス参加有無
・推薦・相談の発生件数
・高校別のOC参加数・出願数
これらを高校単位で把握するだけでも、
「成果が出ている高校」と「伸びしろのある高校」が明確になります。
データは「評価」ではなく「改善」のために使う
数字を管理すると、「成果が出ていない高校=失敗」と捉えてしまいがちですが、それは本質ではありません。
重要なのは、
・なぜ反応が出なかったのか
・どこで導線が止まっているのか
を振り返る材料としてデータを使うことです。
例えば、
・掲示はできているが来校につながっていない
・ガイダンスには参加しているが相談が少ない
こうした状況が見えれば、説明内容や依頼の仕方を見直す具体的なヒントが得られます。
「フィードバック」が信頼と成果を生む
PDCAの中で、最も見落とされがちなのがフィードバックです。
・掲示いただいたイベントの参加人数
・ガイダンス後の生徒の反応
・推薦経由で入学した学生の様子
これらを高校の先生に簡単に共有することで、
「この学校と関わると、生徒の進路支援につながっている」
という実感を持ってもらうことができます。
このフィードバックこそが、次の協力、次の推薦、次年度の参加機会へとつながるのです。
PDCAが高校訪問を「戦略」に変える
データを取り、振り返り、改善し、また実行する。
このPDCAが回り始めると、高校訪問は「頑張る活動」から「成果が再現できる戦略」へと変わります。
・誰が担当しても一定の成果が出る
・引き継ぎができる
・中長期で関係性を深められる
これこそが、少子化時代における専門学校募集の土台となります。
おわりに ― 高校訪問は“未来への投資”
高校訪問は、すぐに数字として表れないことも多い活動です。
しかし、データとフィードバックを通じて丁寧に積み重ねていけば、確実に成果として返ってきます。
本コラムで取り上げてきた一つひとつの施策を、ぜひ「振り返り、改善し続ける視点」で活かしていただければと思います。
高校訪問は、単なる営業活動ではなく、生徒の未来と学校の未来をつなぐ、最も重要な募集戦略なのです。

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