1.なぜ今、メールなのか?デジタル時代の高校生との接点
はじめに
高校生の進路選択を取り巻く環境は大きく変化しています。
情報量が増える一方で、自分に合った学校を見極めきれず、迷いながら検討を進める高校生も少なくありません。
こうした中、専門学校にとって重要性が高まっているのが高校生へのメール送信です。
メールは、進路検討のタイミングに合わせて情報を届けることで信頼関係を築き、行動を促すことができる有効な手段です。
しかし、SNS全盛期の時代に、「学生募集でメール?」と疑問を持つ方は少なくありません。
LINE、Instagram、TikTok……高校生の生活は、常にリアルタイムなコミュニケーションに囲まれています。そんな中で、あえて“メール”という手段に注目する理由はどこにあるのでしょうか。
本コラムでは、「なぜ今メールなのか」という視点から、情報提供のタイミング、学校の価値の伝え方、オープンキャンパス参加促進、効果測定、そして出願意欲の醸成まで、学生募集におけるメール活用を全6回で解説していきます。
高校生は「メールを使っていない」のか?
結論から言えば使っています。ただし“用途が違う”のです。
高校生にとってメールは、友人との雑談ツールではありません。
- 学校からの連絡
- アルバイトの応募
- 会員登録や公式な案内
- 進学・進路に関わる情報
つまり、メールは、「大事な情報が届く場所」として認識されています。
進路選択という人生の分岐点に関わる情報こそ、軽すぎないメディアで届ける意味があります。
SNSでは流れてしまう「進学情報」
SNSの最大の弱点は、情報の寿命が短いことです。
投稿は次々と流れ、アルゴリズムに左右され、必要なタイミングで必ず届くとは限りません。
一方、メールはどうでしょうか。
- 自分の受信箱に確実に残る
- 後から読み返せる
- 保護者と共有しやすい
学校説明会や出願スケジュール、学費やサポート制度など、「検討が必要な情報」は、メールの方が適しています。
メールは「信頼」を伝えられるメディア
進学先選びで高校生・保護者が重視するのは、「この学校は信頼できるか」という点です。
- 丁寧な文章構成
- 誤解のない情報表示
- 正式な連絡手段としての安心感
メールは、学校の姿勢や誠実さを文章そのもので伝えられるメディアです。
一通一通のメールが、学校の“顔”になります。
【経営向け】 メール配信の数値分析
| フェーズ | 主なKPI | 経営的意味 |
|---|---|---|
| 到達 | 配信成功率 | 接点の安定性 |
| 閲覧 | 開封率 | 情報価値・信頼度 |
| 行動 | クリック率(CTR) | 興味の深度 |
| 成果 | CV率 | 募集成果への寄与 |
| 継続 | 配信解除率 | ブランド毀損リスク |
メール施策で管理すべき主要KPIがこちらです。
これらを定点観測できる点が、メールの最大の強みです。
開封率:読むべきメールの選別
- 一般的なメールマーケティング:20~30%
- 教育・進学系メール:30~45%
とされるケースが多く、特に「資料請求後」「説明会参加後」のフォローでは40%超も十分に狙えます。高校生がメールを「公式情報」として認識しており、母数が小さくても確実に届くメディアであると言えるでしょう。
クリック率(CTR):関心層の可視化
- 進学系メールの平均CTR:5~10%
- セグメント配信(学科別・検討段階別):10~20%
CTRは「誰が本気で検討しているか」を判断する重要指標です。
この数値を基に、
- 個別フォロー対象の抽出
- 電話・面談への切り替え
- 説明会誘導の最適化
といった営業資源の最適配分ができるようになります。
CV率(コンバージョン):メールは「最終行動」に最も近い
CVとは、説明会申込、個別相談予約、出願などの最終成果です。
- メール経由の説明会申込CV率:1~5%
- 出願直前層への限定配信:5~10%以上
広告と比較した場合
- 広告:母数は多いがCV率は低い
- メール:母数は少ないがCV率が高い
という構造になります。意思決定フェーズに入った層に強いのがメールです。
ROI視点(費用対効果):広告費との決定的な違い
仮に以下のケースを想定します。
- メール配信対象:2,000件
- 説明会CV率:3%→60名
- 説明会から出願率:20%→12名
メール配信コストは、MAツール・人件費を含めても1通 数円~十数円レベル。
一方、同等の出願数を広告で獲得しようとすると、数十万~百万単位になるケースも珍しくありません。
これは経営上、無視できない差です。
経営者が見るべき本質的KPI
経営判断において重要なのは、単発の数値ではありません。
- リスト数の増減
- 開封率の長期推移
- CV率の改善幅
- 配信解除率の抑制度
これらを追うことで、「学生募集の仕組みが健全に機能しているか」を判断できます。
メールは、学生募集を可視化・再現化できる数少ない手段です。
流行に左右されない、経営として強い学生募集基盤をつくるために、メールは今も、そしてこれからも有効な選択肢です。
デジタル時代だからこそ「使い分け」が重要
もちろん、SNSが不要というわけではありません。
SNS:興味喚起・学校の雰囲気を知る
Webサイト:詳しい情報を調べる
メール:重要情報を受け取り、検討する
このように、高校生は無意識にメディアを使い分けています。
メールは、その中で「進路を本気で考えるフェーズ」に寄り添う役割を担っています。
未来に繋がる一通を届けるために
学生募集におけるメールは、単なる告知ではありません。
それは、高校生が「自分の将来」を考える時間に、そっと寄り添う存在です。
情報があふれる今だからこそ、必要な人に、必要な情報を、丁寧に届ける。
なぜ今、メールなのか。
その答えは、デジタル時代の高校生が“本当に大切な情報”と向き合う場所に、メールがあるからです。
次回はメール配信で信頼感を高める考え方について解説していきます。

