3.メールの「タイミング」が合否を分ける:進路検討のフェーズに合わせた情報提供

専門学校の学生募集において、メールは今や欠かせないコミュニケーション手段です。
しかし「情報は送っているのに反応が薄い」「開封率や来校率が伸びない」と感じている担当者も多いのではないでしょうか。

その原因の一つが、進路検討のフェーズとメールの内容・タイミングのズレです。

進路選択は一瞬で決まるものではありません。
検討段階ごとに学生の心理や求める情報は大きく変化します。
今回は、進路検討のフェーズに合わせたメール配信の考え方について整理します。

フェーズ①「興味喚起期」:まずは知ってもらう

資料請求直後や初回接点の学生は、まだ学校比較の入り口に立った段階です。
この時期の学生は、「どんな分野なのか」「自分に合いそうか」といった大枠の情報を求めています。

このフェーズで重要なのは、情報を詰め込みすぎないこと。

  • 学べる分野の特徴
  • 卒業後の進路イメージ
  • 在校生の声や一日の流れ

など、将来像を想像できる内容を、短く・わかりやすく伝えることが効果的です。
配信タイミングは資料請求からできるだけ早く、記憶が新しいうちが理想です。

フェーズ②「比較・検討期」:判断材料を提供する

オープンキャンパス参加前後や、複数校を比較している段階では、学生はより具体的な情報を求め始めます。
このフェーズでは、

  • カリキュラムの特徴
  • 資格取得実績
  • 就職サポートや就職先
  • 学費や奨学金制度

など、「選ぶ理由」につながる情報が有効です。
特にオープンキャンパス参加後のフォローメールは重要で、参加のお礼だけで終わらせず、当日伝えきれなかった魅力や次の行動(個別相談、再来校)を提示しましょう。

フェーズ③「最終判断期」:背中を押す一通

出願を迷っている学生に必要なのは、最後の不安を解消する情報です。

  • 入学後のサポート体制
  • 在校生・卒業生のリアルな声
  • 「迷っていたが決めた」事例

など、共感を生む内容が効果を発揮します。
この段階では配信頻度よりもタイミングが重要です。
出願締切前、面談後など、学生の行動に合わせた一通が、合否(=出願するか否か)を分けることもあります。

メールは「一斉配信」から「伴走型」へ

進路検討は学生一人ひとり異なります。すべての学生に同じ内容を同じタイミングで送るのではなく、行動履歴や検討フェーズに応じて情報を届けることが、これからの学生募集には欠かせません。

メールは単なる告知ツールではなく、進路選択を支える伴走者です。
「今、この学生は何を知りたいのか?」
その視点を持ったメール設計が、信頼を生み、結果として志願につながっていくのです。

年間メール配信スケジュール案

4~5月:興味喚起・部集団形成期

対象新規資料請求者/進路を考え始めた層
学生の心理「進路はまだ漠然。とりあえず情報収集中」
配信頻度月2~3通
主な内容・学校・学科の紹介(分野理解) ・業界の将来性、仕事の魅力 ・在校生の一日、キャンパスライフ紹介 ・オープンキャンパス年間スケジュール案内
目的・学校を「選択肢の一つ」として認知させる ・メールに慣れてもらい、開封率を高める

6~7月:比較・検討スタート期

対象資料請求後、OC未参加者/初回来校前
学生の心理「どの学校が自分に合うか比べ始める」
配信頻度月3~4通
主な内容・学科ごとの学び・実習内容の深堀り ・資格取得実績、就職データ ・教員・在校生紹介 ・オープンキャンパス参加メリット訴求
目的・「行ってみたい学校」へ引き上げる ・OC参加の後押し

8月:来校・体験重視期(夏休み)

対象OC参加者/参加検討書
学生の心理「体験して判断したい」
配信頻度週1通程度(やや多め)
主な内容・オープンキャンパス直前リマインド ・参加者の声・満足度紹介 ・実習体験・特別イベント案内 ・個別相談・保護者同伴案内
目的・来校率最大化 ・印象形成と記憶定着

9~10月:志望校絞り込み期

対象OC参加済み/複数校比較中
学生の心理「だいぶ絞れてきたが、まだ迷いがある」
配信頻度月2~3通
主な内容・他校との違い・本校ならではの強み ・卒業生インタビュー・就職ストーリー ・学費・奨学金・分納制度の説明 ・個別相談会・再来校案内
目的・志望順位を引き上げる ・不安・疑問の解消

11~12月:最終判断・出願準備期

対象出願検討者/面談実施者
学生の心理「決めたいが、最後の一押しが欲しい」
配信頻度月2通+行動連動配信
主な内容・出願までの流れ・スケジュール解説 ・入学前サポート・フォロー体制紹介 ・「迷っていた先輩の決断エピソード」 ・出願締切リマインド
目的・出願行動への転換 ・機会損失の防止

1~2月:出願追い込み・未決定層フォロー期

対象未出願者/進路未決定者
学生の心理「焦りと不安が強い」
配信頻度月2~3通
主な内容・まだ間に合う入試情報 ・個別相談・オンライン相談案内 ・少人数制・サポートの手厚さ訴求 ・社会人・既卒生の再進学事例
目的・未決定層の受け皿になる ・個別対応への誘導

3月:入学準備・関係構築期

対象合格者/入学予定者
学生の心理「入学への期待と不安」
配信頻度月2通
主な内容・入学前課題・準備物案内 ・クラス・行事・学校生活紹介 ・教職員からのメッセージ ・入学後のサポート説明
目的・入学辞退防止 ・入学後の満足度向上

補足:成果を高めるポイント

  • 一斉配信+行動連動メールの併用
  • 開封率が落ちる時期は「件名」と「配信時間」を調整
  • OC参加・面談後48時間以内のフォローメールは必須

次回はオープンキャンパスへの参加を促すメール配信について考えていきます。